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大人のクワガタ道楽 -第3回目-
 
クワガタ飼育編

蝉丸
アウトドアを中心にとにかく多趣味。いつか田舎に移住し仙人のような生活がしたいと思っています。

 採集篇では、長々と自己流の方法をお話させていただきましたが、参考になりましたでしょうか。よくプロの方のお話を聞くと、なにやら「採集って難しいそう」に思えてしまいますが、私のような人間でも、採集篇で書いた通りにオオクワガタでも頑張ればどうにか採れるものです。気楽に、そしてしつこくフィールドに通いましょう。

 今回は採集した後、飼育について少しばかりお話しします。特別のテクニックなどはありませんが、怠け者の人(私のような)でも簡単に飼育できる方法をご紹介します。

1.飼育道具はホームセンターで揃う
 最近は、ホームセンターなどでなんでも揃う時代になりました。クワガタ飼育の道具も専門ショップに行かなくてもホームセンターですべてが揃います。ただし、どの店も5~10月ぐらいまで期間限定なのでその期間に買ってください。

 まず、クワガタを入れるプラスチックのケース、クヌギマット、産卵木、そしてエサを買います。これだけで、どの種類のクワガタでも基本的にOKです。クヌギマットは幼虫でも食べられるものを、産卵木は直径10cm、長さ15cm程度のものを買います。これらは、あとあとクワガタが産卵する時のことを考えて入れておくものです。

 エサはいろいろな種類がありますが、栄養価の高いゼリーがいいようです。子供のころはスイカなどを与えていましたが、下痢をしたりするので好ましくありません。果物ならバナナをおすすめします。

2.飼育環境のセッティング
 ケースの底にクヌギマットを敷き詰めます。高さは10cm程度。そこに産卵木を置いてひとまずは完成。エサのゼリーはマットの上に置けばいいですが、ゼリーをのせる木の台も売っていますのでそれを活用してもいいでしょう。

3.オオクワガタ・ヒラタクワガタ・コクワガタ、アカアシクワガタの成虫飼育
 オオクワガタは非常に丈夫で、長生きします。最長では5年以上という個体までいますし、2年程度なら普通に生きています。コツは、常に湿気を保つこと。霧吹きなどで3日に1回マットに保水をしましょう。あとはエサのゼリーをおいておくだけです。大型ケースにペアで飼うのが最適。

 オオクワガタは温厚な性格でめったにケンカしませんが、オスを2匹以上入れると、たまにケンカをすることがあります。大変アゴが強いので、いったん挟むと致命傷になる可能性が高いのです。私もケンカしてしまったオスの片方が内臓までアゴが貫通してしまい、死なせた経験があります。

 死ぬ可能性があるとすれば、あとは転倒死ですが、産卵木が入っていればつかまることができるのでかなり防げます。しかし、逆にマットだけだと、他のクワガタもそうですが転倒死の可能性が極めて高いといえるでしょう。

 ヒラタクワガタの飼い方はオオクワガタと同じでOKです。このクワガタも長寿で、2年は生きるでしょう。注意点は、オオクワガタと同じですが、ヒラタクワガタは日本を代表するケンカ好きのクワガタでパワーもあるので、自分の手を挟まれないように。挟むとなかなか放しませんし、出血するほどです。

 コクワガタは入門には最適の種です。大人しいのでケースに何匹飼っても(大型ケースなら20匹ぐらい)OKです。このクワガタも長寿で2年程度は生きるでしょう。飼育方法はオオクワガタと同じです。

 アカアシクワガタは、コクワガタより少し大きいぐらいなので同じ飼い方でOKですが、寒い地域のクワガタなので温度には気をつけましょう。クーラーの効いた部屋におくのがいいと思います。このクワガタも1年以上は生きます。

4.ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタの成虫飼育
 いずれもオオクワガタの同じ飼い方でOKです。ノコギリクワガタは、ケースに数匹飼うことができます。ケンカはよくしますがパワーがないので致命傷にはなりません。寿命は秋ぐらいまでですね。ミヤマクワガタも同じケースに数匹飼うことができますが、メスがオスより強くしかも気が短いので要注意です。大きなメスは1匹にしておいたほうがいいかもしれません。

 また、アカアシクワガタのようにやや標高の高い場所にいるので、ケースは涼しい場所においてください。ミヤマクワガタはうまくいけば翌春まで生きていますが、基本的には虚弱体質のクワガタなので、飼い始めてから理由も分からずにすぐ死ぬなんてことも多いものです。

5.オオクワガタを産出する
●産卵
先ほどから産卵木がたびたび登場していますが、オオクワガタを産卵させるには産卵木のセッティングが大変重要です。
 その手順は、
  1. ホームセンターで買ってきた産卵木を、しっかりと水に沈めて丸一日そのままにしておきます(木に水分を与えることと、中にいるかもしれない害虫の駆除のため)。
  2. 水から出したら半日程度日陰で干しておきます。
  3. 皮をはいで、硬めにつめたマットのなかに埋め込みます(木の上部5分の1ぐらいがマットの上に出ているぐらい)。
以上でセッティングは終了です。そこに産卵に適したメスを入れます。

 例えば、皆さんが灯火採集でオオクワガタのメスを採集したとします。明かりに飛んでくるメスは、私の経験上では交尾を済ませているので、このメスをそのまま入れておき静かな場所に置いておきます(灯火採集ではない場合は、オスとメスのペアに交尾してもらう。大きくて体型がプリンとした感じのグラマラスなメスのほうが大きなクワガタが産出できる)。

 しばらくすると、メスが木を削りはじめます。これは産卵するための穴を掘っている状態です。そして2ヵ月後ぐらいに、その木を掘り出して割ってみてください。
中に幼虫がしっかりいるはずです。

●幼虫飼育
幼虫飼育がうまくいくがどうかで成虫のサイズが決まります。かつては80mmの成虫が1000万円という時代がありましたが、私は別にサイズを競っているわけではないので、決して特殊な飼育方法はしていません。それでも75mmぐらいは普通に出ていますので、その方法をご紹介します。
 用意するのは菌糸ビンです。前出のクヌギマットでも幼虫は十分育ちますが、キノコの菌糸がはいった菌糸ビンのほうが、栄養価が高くサイズが大きくなるようです。菌糸ビンは、ペットショップかネットで購入するのがいいでしょう。幼虫1匹に対し1リットルの菌糸ビン2個使います。

 手順は、
  1. まず、幼虫を木から掘り出します。
  2. 菌糸ビンのふたを開けて、中央に幼虫が潜るきっかけとなる穴を掘っておきます。
  3. その穴に幼虫をいれます。
  4. ふたを閉めて完了です。そのままあまり温度変化のない場所に保管します。何もしないでも、幼虫は勝手に育ちます。ただ、菌糸ビンの色が白から茶色(外から見るとどこか茶色の砂っぽい雰囲気になっている)になったら、幼虫が菌糸を食べつくした証拠ですので、幼虫を新しい菌糸ビンに入れ替えます。
 入れ替えのタイミングは成虫のサイズを決める重要なファクターと言われていますが、あまり神経質にならないでも、70mm以上のサイズは出ます。夏になったら掘り出してみてください。
中には羽化不全で残念な個体もいますが、これで元気な成虫がたくさん顔を出します。

6.その他のクワガタの産出
 ヒラタクワガタ、コクワガタはオオクワガタと同じでOKです。ただ、コクワガタごときに菌糸ビンはもったいないと思うなら、ホームセンターのクヌギマットでも十分です。

 ノコギリクワガタは、セッティングはオオクワガタと同じですが、マットのほうに卵を産み、幼虫もそこで孵化します。孵化したら一匹ずつ大型のガラスコップぐらいのケースに分けて、クヌギマットで飼育してください(菌糸ビンは駄目です)。

 たまにマットをかえてあげてそのまましておけば、夏には羽化します。しかしそこでは掘り出さず、さらに翌年まで待ちましょう。そこで掘り出すとかなり虚弱なのですぐに死んでしまいます。

 ミヤマクワガタはいまだに成功していません。実は卵も産ませたことがありません。ペアリングも相性があるようで、気に入らないとオスとメスで大ゲンカしています。
■最後に
 我が家には3年以上のオオクワガタが10匹います。いずれも、4年前に自動販売機の前で採集したメスが産んだ子孫です。

 皆さんもぜひオオクワガを採集したら愛情をもって飼育してみてください。必ず、長生きして子孫を残してくれると思います。
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